ゼクス第10弾「真紅の戦乙女」のプロローグ(剣淵相馬Ver.)が公開!

剣淵相馬

2014年10月23日に発売となる待望の「ゼクス」のナンバリングタイトル最新弾

ゼクス第10弾 真紅の戦乙女のプロローグ(剣淵相馬Ver.)

ゼクス公式サイトにて公開されました!

剣淵相馬は憤慨していた。

「優鉢羅(ウッパラカ)や阿那婆達多(アナヴァタプタ)は北海道を奪還しようと躍起になってるのに、 八大龍王の男どもはどいつもこいつも! 無関係じゃねえだろ! なんで協力しねえんだ!」
「ムカつくゾ!」
「娑伽羅(サーガラ)の親父について尋ねた時も、興味なさげだしよ。アイツら人間じゃねえ!」
「人間じゃねえ!」

WS015441 WS015442 WS015443

人間離れした人間・相馬が、人間ではないゼクスたちの悪態をついている。
パートナーゼクスのフィーユもまた、相馬の怒りに同調した。

WS015444

「……ところで、なあ、フィーユ。
人間の女みてえな、しゃべるプラセクトって知ってるか?」
「そんな虫まで集めたいのか? 趣味悪いゾ、ソーマ!」

問いかけの趣旨を曲解したフィーユが、髪の毛と尻尾を逆立て、嫌悪感を表す。

「ちげえよ! 人型なんて、虫取りの範疇超えてるだろ!
……徳叉迦(タクシャカ)がそんな感じのヤツと、一緒にいたらしいんだよ」
「それならアタシはこの前、難陀(ナンダ)が赤の世界のゼクスやゼクス使いと一緒にいるの見たな」
「何だと?」

WS015445 WS015446

自身が聞き回って集めた情報と、不意にフィーユからもたらされた情報。
相馬は神妙な顔つきで、呟くように調査結果を再確認する。

「難陀や徳叉迦の怪しげな動き、
そして、何者かに殺された娑伽羅の親父と険悪だったっつー摩那斯(マナスヴィン)
やっぱりあいつら、3人そろって何か隠してやがるな。だが、何をだ?」

WS015447

相馬は考えた。
相馬は一生懸命考えた。
相馬はかつてないくらい考えた。

相馬は過ぎたことを思い悩まない、サッパリした性格である。
従って、事件の推理などできるはずもない。
思慮深い表情はすぐに消え失せた。

「だあああ! 分かるか! オレは探偵じゃねえんだよ! 行くぞ、フィーユ!」
「どこへだ?」
「イマイチ気乗りしねえが、ほかに当てもねえ。一度顔を拝んでみようぜ」
「誰の顔だ?」
「甲虫女王ヘルソーン。しゃべるプラセクトだ!」

WS015448

 第10弾「真紅の戦乙女」のBOX予約最安値はコチラ!

 

ゼクス第10弾「真紅の戦乙女」のプロローグ(黒崎神門Ver.)が公開!

黒崎神門

ゼクス公式サイトにて

ゼクス第10弾 真紅の戦乙女のプロローグ(黒崎神門Ver.)

が公開されました!

 

本棚が立ち並んだ小綺麗な部屋に、電話が鳴り響く。
理知的な表情の若い男が、コール1回目で受話器を取った。

「はい、こちら自衛隊北九州方面隊」

20代前半くらいに見えるその男は、書類の束に囲まれながら、気怠そうな声を絞り出す。
代理とはいえ、責任者の部屋へ直電を寄越してくる相手の想像はついていた。

『俺だ。ちょっといいか』
「はあ……やはり軍師殿ですか。今回はどのような厄介事の連絡です?」

黒崎神門はまるで人ごとのように淡々と要件を告げ始めた。

『そう遠くないうちに緑の世界のホウライが遠征してくる』
「これまた骨が折れそうですね」

ホウライは緑の世界の主力種族。
北海道・東北地方を拠点としているため、ここ九州で見かけることは滅多にない。
しかし、洗練された武術は赤の世界の主力・ブレイバーにも決して引けを取らないという。

WS015438WS015439

『いや、自衛隊は干渉するな。高千穂は……宮崎は奴らに与えてやれ』
「どういうことです? 多数の戦力が軍師殿に取られてますから、
正面からやり合っては損耗激しいことは間違いありませんが」
『緑の世界に黒の世界攻略を手伝わせる交渉をしてきた。信長の尻拭いついでにな。
宮崎と引き換えに、北海道と東北北部が我々のものとなることも内々に決定した』
「なっ……軍師殿はいったい何を考えているんです!」

個人の判断で一地域がやりとりされようとしている。
神門の意見や主張には度々驚かされてきたが、もはや常識では計り知れない。
男は海よりも深いため息をついた。

「自衛隊北九州方面隊最高責任者の命令は絶対です。
……それが首都東京の奪還につながるのですね?」
『そういうことだ』
「分かりました」
『もうひとつ。間もなく青の世界と緑の世界のゼクス使いが北九州へ入る。
留守番だけというのも暇だろう? そいつらの相手でもしておけ』

決定事項のみが伝えられ、電話は切られた。
一呼吸置き、男は軽装の鎧を纏った女性が背後へ控えていることに気づく。

「そこにいましたか。話は聞いていましたね?」
「高千穂は赤の世界のブラックポイントにほど近い土地です。
他勢力へ引き渡してしまうのは、あまりにリスクが高いと思いますが……」
「……いや。交換材料となった東北北部も、緑の世界のブラックポイントと近い。
軍師殿には我々の予測も及ばぬような、最善の策があるのでしょう」

男は神門のことをよく知っていた。
だからこそ、苦々しい表情を浮かべた。

「それが聡明たる出雲の下した判断であれば、私もまた従いましょう。
では、さっそく行って参ります」
「頼みます。ジャンヌ・ダルク」

WS015437

 

 ゼクス第10弾「真紅の戦乙女」のBOX予約最安値はココ!